効果的な求人広告の書き方
基礎編

まとめ
どのような採用形態でも、「どんな人材が必要なのか」「誰を欲しいのか」を考え、
ターゲットとなる人物を設定して、その方に魅力となる訴求内容を考えることは決して変わりません。求人広告の作り方を、マスターしておけばどの採用チャネルにおいても適用が可能となります。
(主な母集団形成と採用手法)
募集職種によって採用手法の向き不向きがわかれます。
採用頻度が高い職種とおすすめの採用手法の組み合わせがもっとも有効。
①求人広告ナビ媒体
②就職・転職イベント
③ダイレクトリクルーティング
④採用特化型ホームページ・検索エンジンIndeed(インディード)
⑤SNS
⑥人材紹介

(掲載において大切なポイント)
・採用候補者(求める人材像)を定義する
・想定されるターゲットに訴求できる自社の強みを決める
・採用活動期間、予算の中で、採用候補者に届けるよう努める
・母集団になってほしい採用候補者をセグメントし、
その人たち「だけ」に向けて自社独自の強みを伝える
募集背景の整理のやり方
事前にやっておきたいこと。今回の募集は、欠員募集なのか増員募集か、新規事業立ち上げ募集なのか…
なぜ「そのポジションを採用しなければならないのか=募集背景」などをきちんと把握。採用担当者自身が、採用の背景を整理していないと、どのような人材を集めなければならないのかが曖昧になり、アンマッチが発生してしまう恐れがあるからです。
例)欠員募集の場合は前任者に代わる人を採用しなければなりません。その方がどういうスキルを保有しているのか、「どういう人となりだったのか」、「その人がいなくなれば、部門業務はどのような支障が考えられるか」など、その方を基準に採用候補者をイメージしていけばよいのですが、
一方、増員や新設ポジションの募集の場合になると、その人が入社することで事業・会社をどういう方向に持っていきたいのか、その人に任せたいことは何か、など期待や役割をイメージする必要が出てきます。まずは、募集する背景をあらかじめ押さえておくことで、貴社にとって「今、だれを採用しなければならないのか」「それは何故なのか」「採用することへの期待や役割」が明確となります。
押さえておくべきスペック「スキル要件」
どんなに優秀な人材でも、就職・転職 を考える際には「自分が活躍できる会社はどうか」と、不安を抱えているものです。募集要件で、一つでも採用条件が当てはまらないと「自分にはムリなのでは」と感じ、応募を諦めてしまう傾向にあります。重要なのは、適切な採用要件を設定することです。※「採用要件を下げる」わけではありません。
下記図のように、マッピングすることで、今回の採用において対象となる人が多いのか少ないのか、整理することができます。通常は、「同業界・同職種」の採用は難易度が高いものです。
「同職種が必要だが、異業界でも問題ないのが分かり、難易度をはかることができるます。
スキル要件を考えるときに、まずはこのような、マップにおいて欲しい人材はどこに配置されているのか、異職種・異業界でも可能かを掘り下げて考えるとよいでしょう。
・必須条件(MUST要件)、歓迎条件(WANT要件)は、はっきり分けて記載。
・歓迎条件はあまり書きすぎるとハードルが高く見えるので注意が必要。
・3C分析で、自社のビジネス環境における位置づけをおこなうと。
※実際の設定現場では、完成したシートに沿って手順を踏んで一歩踏み込んで深堀していきます。競合他社との比較や候補者とのマッチング要素の作業も必要になります。

ペルソナの設定
ペルソナとは?
マーケティングでも使われるペルソナは、「商品・サービスを利用する顧客の中で最も重要な人物「ユーザー像」となります。その人が何を考え、どのように行動するのかをふまえ、そこからどのように
自社商品・サービスをアプローチすればいいのかを設定するために重要な手法となります。
この手法は採用においても重要な考え方となります。
・募集をする際にペルソナを設定しておけば、具体的にイメージしやすくなります。
・その人物の興味関心を捉えることで、自社ならではの最適なコンセプトワードを考えられる
・採用に関わるチーム・メンバー全体でイメージを共有することができる
・基本情報
(名前、年齢、性別、出身地、家族構成、趣味、キャリアプラン)
・仕事内容
(業務内容、役職、ミッション、仕事におけるモチベーションや不満、キャリアパス)
・生活パターン
(起床・就寝時間、通勤時間、勤務時間、残業時間/休日休暇の過ごし方)
・価値観
(モノのとらえ方、働き方に対する考え方、大事にしたいこと)
・接触ツール
(スマートフォン、パソコン、雑誌、書籍、Webサイト)など
転職を検討する場合、社会人経験数が増えれば、メリットだけでは行動しません。
求人広告は、求職者の悩みや不満を解決するためにあると受けとめて、自社であればどのような解決策を提示してあげられるのか、を考える必要があります。
イメージした人物は、どこで働いて、現状どのようなことに不満・不安を感じているのかを考え、それを、1枚のシートにまとめます。現状の不満・不安やキャリアの方向性まで考えることができれば、 その人を動かすために、自社の何を訴求したらいいのか、それと、逆にネックになることは何かまで、落とし込むことが可能となります。そのことで、その人のクロージングまでを考えることができるようになります。
「業界・職種」の設定ができていても、その人の生活スタイルやタイプなど、細かい人物像のイメージすることはなかなかうまくいかないこともあるます。そのときは、社内を見回してみてください。社内にいる誰のような人材であれば活躍人材になれるのかをイメージしてみることをおすすめします。
※どのようなイメージなのか簡単でわかりやすい事例をお持ちしますのでご安心ください。
キャッチコピー編
もっとも注力を注いで制作する個所の1つがキャッチコピーです。
キャッチコピーは文字通り、ターゲットをキャッチするためのコピー(広告文)です。
求人内容の入口としての役割を持ち、読み手に「おっ」と思わせページを開かせる必要があります。しかし、注意したいのは、ただ目立てばいいというものではありません。
大切なのは、「これこそまさに自身が探していた会社(仕事・環境・人)だ!」「自分のことを言われているみたい」などと、いかに「自分にあっていそうな会社である」と思ってもらうことがポイント。
結果、→ターゲットは気持ちが揺さぶられ、求人原稿を読んでみたい、となるのです。
キャッチコピーを作るのは一見難しそうにも感じますが、コンセプト&マッチングまでしっかりできていれば、意外とスムーズに作れてしまいます。
大切なのは、ターゲットの立場になり、ターゲットが「知りたい」「聞きたい」と思う情報を載せることです「どう」言うかではなく、コンセプトを常に念頭に置き「何を」伝えるかを意識してください。
また、コピーは数字、具体性がものをいいます。迷われたら、ターゲットと訴求ポイントが一貫しているかどうか判断すると良いですよ。
■稼ぎたいというターゲットが20代なら同年代のモデルケースを数字で明示する。
⇒「20代後半のマネージャーが活躍」
20代、30代の女性に訴求したいのなら出産後の復帰は気になるポイント。
■育児休暇復帰後も活躍している女性社員の等身大の声も載せ、一日のスケジュールなど載せるのが有効。
⇒「出産後もキャリアを積める」「ローモデルがあるから安心」
■事実に即していることは大前提として、コピーの表現の工夫は重要です。
体育会系なら⇒「意識が高い同世代メンバーと目標に向かっていける」言い方一つで印象がガラリと変えられます。このことにより、ターゲット人材の応募数を増やしたり、質をコントロールしたりすることができます。
また、汎用型に求職者に響く、「鉄板フレーズ」も参考になります。「新規立ち上げ」「新拠点のスタッフ募集」⇒新鮮なことにトライできる印象が全面にでている。年代を越えて響く⇒「創業〇年、老舗」という表現も「安定」のイメージを想起させられます。
写真撮影のポイント
写真は、掲載すればいいだろうと考えがちですが、意外と大切です。
写真一枚の持つ情報量は想像以上に多く、文字とは違って一度に伝えることができます。
また、求職者は必ずと言っていいほど写真を見ます。
特に最近ではInstagramなどの影響もあり、イメージを重視する傾向があるのも事実です。
写真がいいと、それだけでよい会社と感じと感じてもらえるのです。
ただし、「キレイな写真」である必要はまったくありません。
素人が撮ったような写真でも、自社らしさを伝えることができていれば、十分に要件は満たしています。
ポイント
一番は、そこで働いている社員の写真です。
大事なのは、ターゲットと同世代、同じ性別の人の表情が映ること。
(明るく親しみやすい方の写真に越したことはない)
実は、表情がわかるものがミソ。
大人数の集合写真は、表情が見えにくいのであまりオススメしません。
自分がそこで働いているイメージがわくかどうかがポイントです。
また、きりっとした真剣な表情とにこやかな笑顔どちらがいいのか、訴求によって変えると良いです。
複数枚の写真を掲載できるなら、取り扱っている商品・サービスがわかる写真を載せると親近感がわきます。
あと、明るさの調整、背後に余計なものが映り込んでいないか、など細かいところまで気を配れるかが、候補者に与える印象を大きく左右します。
約8割の候補者がホームページをチェックしているという調査もあるので、採用をバックアップする採用サイトの制作も事前準備の一つとして着手できることがポイントになります。
なお、写真がコンセプトとずれていたら、全体に大きな違和感が生まれますので、写真を撮影・選定する時も、最初に決めたコンセプトをぶらさないようにしてください。
仕事内容や労働条件の書き方
仕事内容や労働条件はイメージできるよう具体的に!
給与、待遇、福利厚生、休日休暇、労働時間、勤務地、試用期間など、
条件面は基本的にもらさず記載。
(例えば)
有給休暇や残業代はあって当たり前だと思って原稿内に書かないいでいると、
「この会社には用意されていないのではないか」と思われるかもしれません。
誤解や損失を防ぐためにも必ず明記が必要です。
また、「仕事内容」や「対象となる方」は細かく書くというよりは、
具体性を持たせることが重要になってきます。
◆仕事内容
実際に携わる仕事を紹介します。未経験者を対象とする場合は、仕事のイメージがつきやすいよう、
タイムスケジュールなどを併記したり、研修・フォロー制度を記載したりすることをオススメします。
ただ、社内ルールなど、あまり細かなことまで書く必要はありません。
◆応募資格や対象となる方
必須条件(MUST要件)、歓迎条件(WANT要件)は、はっきり分けて記載。
歓迎条件はあまり書きすぎるとハードルが高く見えるので注意が必要です。
求める人物像を書くのも有効ですが、これも書きすぎるとハードルが高く感じるので、要注意。
ただ、今回募集する業務の経験者を採用したい場合には、その旨をしっかり描くことも大切です。
「経験を活かせる仕事がしたい」という思いで転職先を探している人は「未経験者歓迎」と記載があると応募を避けてしまうケースもあるからです。御社が求めるターゲット層が知りたい情報や惹きつける情報をイメージして記載することがポイントです。
また、法律に触れるNGワードを使っていないか、
最後にチェックする。
記入に不備があればブラック言われてしまう現代、慎重に越したことはありません。
①給与は残業代を明記しているか?
固定給与にみなし残業代が含まれる場合は、例えば、月給30万円(●時間●円分のみなし残業代含む)
と明記することが決まりになっています。また、給与については、最低下限給与の記載は必須。
②労働時間や残業時間は適切か?
「使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません」
など、労働基準法で定められています。
③休日休暇の書き方は問題ないか?
「使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません」と労働基準法で定められています。また、「週休2日制」「完全週休2日制」など、休日の表現は特に間違いやすいので、今回の募集がどれに該当するのか、正しく把握し、記載する必要があります。
④性別・年齢等に触れる表現はないか?